2017/02/17
毎年秋に開催されるプロ野球のドラフト会議ですが、正式には「新人選手選択会議」といいます。
高校や大学、社会人野球で活躍した選手には、当然指名が集中して複数球団が競合。
これまでにルールが何度か改正されながら、1965年に始まったドラフト会議で重複指名・複数指名を受けた選手はたくさんいますが、競合指名の多かった選手ランキングと、プロ入団後の成績についてご紹介していきます。
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重複指名数ランキング
指名球団数 | 年代 | 選手名 | 所属 | 交渉権獲得 |
---|---|---|---|---|
8球団 | 1989年 (平成元年) | 野茂英雄 | 新日鉄堺 | 近鉄 |
1990年 (平成2年) | 小池秀郎 | 亜細亜大 | ロッテ(入団拒否) →松下電器へ | |
7球団 | 1995年 (平成7年) | 福留孝介 | PL学園高 | 近鉄(入団拒否) →日本生命へ |
2017年 (平成29年) | 清宮幸太郎 | 早稲田実業 | 日本ハム | |
6球団 | 1979年 (昭和54年) | 岡田彰布 | 早稲田大 | 阪神 |
1985年 (昭和60年) | 清原和博 | PL学園高 | 西武 | |
2007年 (平成19年) | 大場翔太 | 東洋大 | ソフトバンク | |
2009年 (平成21年) | 菊池雄星 | 花巻東高 | 西武 | |
2010年 (平成22年) | 大石達也 | 早稲田大 | 西武 | |
5球団 | 1986年 (昭和61年) | 近藤真市 | 享栄高 | 中日 |
1988年 (昭和63年) | 岡幸俊 | 高知商高 | ヤクルト | |
2007年 (平成19年) | 佐藤由規 | 仙台育英高 | ヤクルト | |
2007年 (平成19年) | 長谷部康平 | 愛知工大 | 楽天 | |
2013年 (平成25年) | 松井裕樹 | 桐光学園高 | 楽天 | |
2016年 | 田中正義 | 創価大 | ソフトバンク | |
2016年 | 佐々木千隼 (ハズレ1位指名5球団) | 桜美林大 | ロッテ | |
4球団 | 1966年 (昭和41年) | 江夏豊 | 大阪学院高 | 阪神 |
1978年 (昭和53年) | 江川卓 | 法政大 | 阪神 | |
1978年 (昭和53年) | 森繁和 | 住友金属 | クラウン (現西武) | |
1980年 (昭和55年) | 原辰徳 | 東海大 | 巨人 | |
1983年 (昭和58年) | 高野光 | 東海大 | ヤクルト | |
1991年 (平成3年) | 若田部健一 | 駒澤大 | ダイエー (現ソフトバンク) | |
1992年 (平成4年) | 松井秀喜 | 星稜高 | 巨人 | |
1997年 (平成9年) | 川口知哉 | 平安高 | オリックス | |
2001年 (平成13年) | 寺原隼人 | 日南学園高 | ダイエー (現ソフトバンク) | |
2006年 (平成18年) | 田中将大 | 駒大苫小牧高 | 楽天 | |
2007年 (平成19年) | 中田翔 | 大阪桐蔭高 | 日本ハム | |
2010年 (平成22年) | 斎藤佑樹 | 早稲田大 | 日本ハム | |
2012年 (平成24年) | 藤浪晋太郎 | 大阪桐蔭高 | 阪神 | |
2014年 (平成26年) | 有原航平 | 早稲田大 | 日本ハム | |
2018年 (平成30年) | 根尾 昂 | 大阪桐蔭高 | 中日 | |
2018年 (平成30年) | 小園 海斗 | 報徳学園高 | 広島 |
ドラフト最多指名8球団からは野茂英雄と小池秀郎両選手。
全部で12球団のうちで8球団からの指名なので、すごい競争率!
ちなみに、4球団以上の競合になったドラフト1位指名では広島(2018年に小園選手を4球団競合で指名権獲得!)、DeNA(大洋・横浜時代含む)は交渉権獲得が0回!
よっぽどクジ運が悪いとしか思えません。
以下、3球団からのドラフト1位指名があった選手20名です。
八木沢荘六(巨人)、西本明和(広島)、木田勇(広島)、野口裕美(西武)、田中富生(日ハム)、小野和義(近鉄)、広沢克己(ヤクルト)、武田光訓(大洋)、伊東昭光(ヤクルト)、阿波野秀幸(近鉄)、川島堅(広島)、伊藤智仁(ヤクルト)、河内貴哉(広島)、松坂大輔(西武)、堂上直倫(中日)、藤岡貴裕(ロッテ)、高橋周平(中日)、 東浜巨(ソフトバンク)、大瀬良大地(広島)、藤原 恭大(ロッテ)。
広沢克己
伊藤智仁
松坂大輔
ドラフトで複数の球団から指名を受けた目玉選手は過去にたくさんいますが、1軍に定着してトップ選手で活躍できた人はほんの一握り。
厳しい世界です。
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ここから先は、最多8球団からの指名があった2選手の、その後の活躍を見ていきます。
野茂英雄
◆1968年生まれ
◆大阪府立成城工業高校→新日鉄堺→近鉄→ドジャース等
◆日本での戦績 78勝46敗 勝率.629
◆米国での戦績 123勝109敗 勝率.530
◆日米通算 201勝155敗 勝率.564
文句なしの大活躍。
ドラフトで野茂を指名した球団とハズレ1位
近鉄(獲得)、オリックス(佐藤和弘)、日ハム(酒井康二郎)
ロッテ(小宮山悟)、大洋(佐々木主浩)、阪神(葛西稔)
ヤクルト(西村龍次)、ダイエー(元木大介)
このとき野茂を指名しなかった4球団は、次の選手を指名・獲得。
巨人(大森剛)、広島(佐々岡真司)、中日(与田剛)、西武(潮崎哲也)
そうそうたるメンバー。。。
佐々岡真司
潮崎哲也
大森選手以外は投手ばかりですね!
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小池秀郎
◆1969年生まれ
◆武蔵工大学付属信州工業高→亜細亜大→松下電器→近鉄→中日→近鉄→楽天
◆2005年に現役引退。
◆通算戦績 51勝47敗 勝率.520
ロッテからのドラフト1位指名を拒否して社会人野球に進みましたが、社会人野球時代に故障を起こし、2年後のドラフトでは近鉄のみが指名。
2年後の最多勝(1997年)、月刊MVP(1997年9月)にも輝いたものの、その後は目立った成績を残すことができませんでした。
ドラフトで小池を指名した球団とハズレ1位
ロッテ(入団拒否)、阪神(湯舟敏郎)、ヤクルト(岡林洋一)
中日(小島弘務)、日ハム(住吉義則)、近鉄(寺前正雄)
広島(瀬戸輝信)、西武(長見賢司)
湯舟敏郎
このとき小池を指名しなかった4球団は、次の選手を指名・獲得。
オリックス(長谷川滋利)、ダイエー(木村恵二)、巨人(元木大介)、横浜(水尾嘉孝)
長谷川滋利
元木大介
過去にドラフト指名を拒否した主な選手
ここまでは江川卓、小池秀郎、福留孝介選手が1位指名を拒否して社会人野球に進んだことをご紹介しましたが、その他にも指名を受けながら入団拒否した選手は多数います。
職業選択の自由ですから。
◆平松政次(1965年・中日からの4位指名拒否)
→日本生命を経て大洋入団
◆江本孟紀(1965年・西鉄からの4位指名拒否)
→法政大学、熊谷組を経て東映フライヤーズ(現日ハム)入団
◆山田久志(1967年・西鉄からの11位指名拒否)
→富士製鐵釜石を経て阪急入団
◆門田博光(1968年・阪急からの12位指名拒否)
→翌年に南海入団
◆川口和久(1977年・ロッテからの6位指名拒否)
→社会人野球を経て広島入団
◆元木大介(1989年・ダイエーからの1位指名拒否)
→ハワイへの野球留学を経て巨人入団
◆新垣渚(1998年・オリックスからの1位指名拒否)
→九州共立大進学を経て、ダイエー入団
◆内海哲也(2001年・オリックスからの1位指名拒否)
→東京ガスへ入社後、自由獲得枠で巨人入団
◆菅野智之(2011年・日ハムからの1位指名拒否)
→東海大に残り、その後巨人入団
プロ野球選手が現役を続ける年齢は平均で8~9年。
引退の平均は29歳くらいだそうです。
ドラフト1位指名を受けても、その後の身分の保証もない厳しい世界ですが、だからこそトップの選手には子どもたちに夢を与える活躍をして欲しいですね。
8球団以上の指名を受ける選手は今後出てくるのかな?
2017年のドラフトで注目の清宮幸太郎選手はどうなるのでしょうか。
プロ入りしても、怪我せずに活躍して欲しいですね!
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