2017/02/17
2016年6月19日から、選挙法の改正により選挙権年齢が「20歳以上の男女」から「18歳以上の男女」に変更されました。
18歳になっていれば、高校生でも選挙に投票出来るようになったんですね。
日本の公職選挙法の選挙権年齢変更は、1945年に「25歳以上の男子」から「20歳以上の男女」に変更されて以来、実に70年ぶりの変更なんですね。
賛成、反対の意見が色々とありますが、ここでは18歳選挙権の目的とそのメリット・デメリットだけでなく、選挙年齢変更の歴史や得票率についてもご紹介していきます。
みなさんも選挙に行く前に、思わず笑っちゃう 選挙当落を左右した【無効票】【疑問票】をよく読んで、せっかくの投票が無効にならないように注意しましょう!
スポンサードリンク
日本の選挙権年齢変更の歴史
年代 | 選挙権の対象 |
---|---|
1889年(明治22年) | 25歳以上で国税を15円以上納めている男性 |
1900年(明治33年) | 25歳以上で国税を10円以上納めている男性 |
1919年(大正8年) | 25歳以上で国税を3円以上納めている男性 |
1925年(大正14年) | 25歳以上の男性(納税要件が撤廃) |
1945年(昭和20年) | 20歳以上のすべての男女 |
2016年(平成28年) | 18歳以上のすべての男女 |
昔の選挙権は「カネ持ってる男だけ」から、徐々に対象が拡大してきました。
20歳以上の男女全てに選挙権が与えられたのは、1945年(昭和20年)なので、戦後までは女性には選挙権は無かったんですね。
明治22年の選挙権は、なんと人口全体の1%しか持っていなかったんです。
ちなみに、被選挙権(選挙に出る権利)は2016年時点では衆議院議員(25歳以上の男女)、参議院議員(30歳以上の男女)、都道府県知事(30歳以上の男女)、市区町村長(25歳以上の男女)と決まっていますが、こちらも戦前は女性には認められていませんでした。
政治には男性しか参加できなかったんですね。
世界の選挙権年齢
日本では選挙年齢が18歳になって大きなニュースになっていますが、世界では選挙年齢はどうなんでしょうか?
選挙データのある192の国と地域では、実に170の国・地域、割合にすると89%が選挙権は18歳以上となっています。
選挙年齢 | 主な国・地域 |
---|---|
16歳以上 | オーストリア、キューバ、ブラジルなど6カ国 |
17歳以上 | インドネシア、北朝鮮など4カ国 |
18歳以上 | 日本、アメリカなど170カ国 |
19歳以上 | 韓国のみ |
20歳以上 | 台湾、モロッッコなど12カ国 |
21歳以上 | シンガポール、マレーシアなど12カ国 |
25歳以上 | アラブ首長国連邦のみ |
年代別の選挙投票率
総務省発表の、平成26年の参議院通常選挙の年齢別投票率グラフです。
- 20歳~24歳の投票率 約29%
- 70歳~74歳の投票率 約74%
- 全体の投票率 約52%
半分の人が選挙に行ってないんですよ?
「税金高い」とか「雇用対策ちゃんとしろ」という文句は、選挙に行ってから言いましょう。
個人的な意見ですが、選挙に行かない人が文句を言ってはいけません。
18歳選挙権のメリット
選挙権年齢を18歳以上の男女に引き下げることに長所・短所はそれぞれありますが、「なぜ18歳にするのか?」ということを考えるとメリットが分かります。
若年層意見を政治に反映させる
現在は高齢者の投票率が高く、政治家も「高齢者ウケ」する政策を掲げます。
そこで選挙年齢を引き下げて、若年層向けの政治が行われるようにする狙いがあります。
国際的な水準に合わせる
前述しましたが、国際的には約90%の国と地域で選挙年齢は「18歳以上」となっています。
選挙の得票総数が増える
新たに18歳、19歳の選挙権者が増えるとこで、2016年の参院選では有権者が240万人、全体の2%増える計算になります。
より多くの国民の意見を反映するという意味では、非常に大きな意味がありますね。
成人年齢の引き下げ
現在の日本では、「成人は20歳以上」、「選挙権は18歳以上」となっていますが、これを将来的には「18歳以上が成人にしよう」という議論が進められています。
成人年齢が18歳になると、今は20歳以上の人が対象の国民健康保険料を徴収できるようになります。
また、18歳でもお酒や煙草が買えるようになると、税金が増えます。
つまり税収が増えるんですね。
いきなり「18歳からは大人だよ!」となると議論が先に進まないので、まずは「選挙権を18歳から」としているとも言われています。
スポンサードリンク
18歳選挙権のデメリット
18歳で投票の判断ができるの?
まだ政治が実生活にリアルに感じられない世代なので、投票の判断ができるのか?という意見が多いですね。
学校の先生や、両親からの意見に左右されやすいという問題もあります。
有名人への投票に偏る
政策を検討した結果で投票を考えるのではなく、安易に有名人に投票する傾向が高くなるのでは?と危惧されています。
しかし、タレント議員がたくさん当選したりしている現状を考えると、大人もそんなに変わらないような気がしますけどね。
選挙費用が増える
有権者の数が増えれば、当然通知書を送ったり、投票結果を開票する手間が増えます。
若者への周知も含めると、選挙年齢を引き下げることによって、数十億円も選挙費用が増えるという試算もありますが、もっと無駄遣いされている税金もたくさんあるので、これは必要経費じゃないかと、個人的に思っています。
期日前投票と不在者投票の違い
選挙当日に投票に行けない人がぜひ活用したいのが「期日前投票」や「不在者投票」ですが、違いが分かりますか?
・選挙当日に仕事やレジャーで選挙に行けない人向け。
・市区町村ごとに設置された、自宅最寄りの期日前投票所で行う。
・公示日から選挙前日まで可能。
・選挙当日に、選挙登録された場所(住民票のある場所)にいない人向け。
・大阪の人が長期間東京に出張している場合など。
・事前に登録した東京の投票所で、選挙当日に投票できる。
・入院中の人は病院内で投票できるケースも有る。
どれだけ仕事が忙しくても、投票は出来るはず!
私も一度だけ期日前投票に行ったことありますが、閑古鳥が鳴いていると思いきや、そこそこ人が多かったです。
まとめ
選挙年齢の引き下げで投票率が増えれば、数字の上ではより多くの民意が反映されることになりますが、そんなに簡単に上がらないでしょうね。
政治がより深く生活に関わっている大人が選挙に行かないのに、まだ実感のない若年層が選挙にこぞって行くとは思えないです。
選挙権を引き下げるのなら、選挙に出られる年齢(被選挙権)もなぜ一緒に引き下げないんでしょうか?
分かりやすい政治を、わかりやすく伝えてくれる、しがらみのない政治家が若者から出てくるようになれば、きっと日本の未来も明るくなるはず!
若者だけじゃなく、中年もお年寄りも、みんな選挙に行きましょう!
スポンサードリンク