2018/01/27
日本は毎年台風の被害に遭いますが、毎年25個前後も発生しているんです。
そのうち、日本に近づくのは11個程度、上陸するのは毎年2.7個ほど。
台風被害の多い沖縄とか四国、紀伊半島にお住まいの方には「もっと多いだろ!」と感じるかもしれませんし、被害の少ない内陸部の方には「そんなに上陸してるの?」と感じるかもしれませんね。
今回は台風の定義、歴代台風の強さ(気圧が低い)ランキングなど、台風の記録についてあれこれをご紹介していきます。
自然が相手なので手強いですが、風害や水害などの被害が少なくなるといいですね!
あと、雨が降ると通勤やお出かけが大変ですね。
雨の日の通勤でヒドイ目にあっている方は、雨の日に靴が濡れない対策グッズ これで通勤も大丈夫!のページもぜひご覧ください。
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目次
台風の定義
台風とは、北西太平洋や南シナ海にある熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風力が毎秒17.2 m以上のものを言います。
「毎秒17.2mの風」って分かりにくいですが、時速約60キロちょっと。
道路を走っている車くらいのスピードで風に押されるイメージ。
確かに強い風ですね!
ちなみになぜ「毎秒17.2m」という中途半端な数字なのかですが、基準単位が「ノット」だからです。
1ノット=1海里(1,852m)を1時間で進む速さ。
台風の基準は毎秒最大33ノット以上の風と決められているので、これを秒速に直すと「17.2m」という数字になるんですね。
ややこしいな。。。
台風のランク、表現、階級
テレビや新聞の報道で「強い台風」とか「猛烈な台風」という表現をしていますが、実はアレにも決まりがあります。
◆「強さ」のランク◆
最大風速(毎秒) | 階級・表現 |
---|---|
17.2m | 台風 |
32.7m以上 | 強い台風 |
43.7m以上 | 非常に強い台風 |
54.0m以上 | 猛烈な台風 |
このように最大風速でランクが決まるので、被害が大きいだけで「猛烈」と表現してはいけません。
◆「大きさ」のランク◆
また、風速15m/s以上のエリアが半径何mあるかによって、「大きさ」の表現も決まってきます。
風速毎秒15mの半径 | 大きさの階級 |
---|---|
500km以下 | 台風 |
800km以下 | 大型の台風 |
800kmより大きい | 超大型(非常に大型)の台風 |
テレビなどで「超大型で猛烈な台風」と表現しているのは、「中心付近の最大風速毎秒54m以上、毎秒15m以上の風速範囲が半径800kmよりデカイ台風」ということになります。
歴代台風の強さランキング
ここでの「強さ」は、最大風速や範囲ではなく、陸上での中心気圧の低さ(hPa=ヘクトパスカル)でランキングしています。
順位 | 台風の名前 | 中心気圧 | 発生年 | 観測地点 |
---|---|---|---|---|
1位 | 沖永良部台風 | 907.3hPa | 1977(昭和52)年 | 沖永良部(鹿児島) |
2位 | 宮古島台風 | 908.1hPa | 1959(昭和34)年 | 宮古島(沖縄) |
3位 | 室戸台風 | 911.6hPa | 1934(昭和9)年 | 室戸岬(高知) |
4位 | 平成15年台風14号 | 912.0hPa | 2003(平成15)年 | 宮古島(沖縄) |
5位 | 枕崎台風 | 916.3hPa | 1945(昭和20)年 | 枕崎(鹿児島) |
6位 | 第2室戸台風 | 918.0hPa | 1961(昭和36)年 | 名瀬(鹿児島) |
7位 | 昭和5年台風 | 922hPa | 1930(昭和5)年 | 南大東島(沖縄) |
8位 | 昭和38年台風14号 | 923.5hPa | 1963(昭和38)年 | 石垣島(沖縄) |
9位 | 平成18年台風13号 | 923.8hPa | 2006(平成18)年 | 西表島(沖縄) |
10位 | 平成16年台風18号 | 924.4hPa | 2004(平成16)年 | 名護(沖縄) |
沖縄、鹿児島、高知。
台風銀座、と言われる理由がわかります。
歴代の台風上陸数年度別一覧 過去最多は2004年の10個!にも書きましたが、沖縄県は実は台風上陸回数が0回って知ってました?
それにしても、台風の上陸回数が多い県は偏ってますよね。。。
また、近年は地球の温暖化で海水温が上がっているため、台風の勢力が強くなる傾向にあるそうです。
全員がプリウスに乗ったら、温暖化って緩和されるのかな?
そんな単純なものでは無いと思いますが、車のアイドリングや部屋のクーラーかけすぎなど、自分たちの身に降りかかってきてるのがわかりますね。
その他の台風ランキング
世界で最低気圧を記録した台風
世界の観測史上、最低の気圧を記録した台風は、なんと日本に上陸しています。
- 昭和54年台風20号
- 最低気圧870hPa
- 1979年10月12日
- 沖ノ鳥島南東付近の海上で観測
この台風は、その後勢力を弱めたものの、960hPaで和歌山県白浜町に上陸し、本州を縦断。
北海道に再上陸して、死者100名を超す甚大な被害を出しました。
【昭和54年台風20号進路】
【最盛期の画像】
台風の目がくっきりはっきりしてます。勢力が強い証拠ですね。
(余談)
昭和54年台風20号の時は激甚災害法の指定要件(その規模が特に甚大であり国民生活に著しい影響を与えたもの)が厳しく、指定対象にはなっていませんでした。
しかし1999年(平成11年)に激甚災害法が改正され指定条件が緩和。
地震や台風などこれまでに数10回指定され、復興に国の助成金が出ています。
最大瞬間風速を記録した台風
- 第2宮古島台風
- 最大瞬間風速毎秒85.3m
- 昭和41年9月5日宮古島で観測
毎秒85mの風って、時速307kmのことです。
想像できますか?建物ごと吹き飛ばされるんじゃないの?
強風域が大きい台風(直径)
「強風域」とは、毎秒15m以上の風のことです。
平成9年台風13号 強風域直径2,400km
台風の直径が2,400kmと言ってもイメージが湧きませんが、東京~大阪間が約500kmなので、地図に落とすとこんな感じ。
でかっ!
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日本で被害の大きかった台風
損害保険の支払い金額をもとに算出しています。
災害名 | 最低気圧 | 上陸時中心気圧 | 支払保険金 |
---|---|---|---|
平成3年台風19号 | 925hPa | 940hPa | 5,680億円 |
平成16年台風18号 | 925hPa | 945hPa | 3,874億円 |
平成26年2月雪害 | 3,224億円 | ||
平成11年台風18号 | 930hPa | 950hPa | 3,147億円 |
平成27年台風15号 | 930hPa | 965hPa | 1,642億円 |
平成10年台風7号 | 960hPa | 960hPa | 1,599億円 |
平成16年台風23号 | 940hPa | 970hPa | 1,380億円 |
平成18年台風13号 | 919hPa | 950hPa | 1,320億円 |
平成16年台風16号 | 910hPa | 950hPa | 1,210億円 |
平成23年台風15号 | 940hPa | 970hPa | 1,123億円 |
被害金額は、台風の中心気圧だけでは判断できませんね。
雨風の強さは、気圧のそれほど低くない台風でも油断できません。進路によっても被害状況が大きく違ってきます。
世界で最も被害の大きかった台風
台風ではなく、アメリカのハリケーン「カトリーナ」は、フロリダ湾で発生し、史上最悪の被害を出したと言われています。
本州がスッポリ入るくらいの大きさです。
- 2005年8月アメリカ南東部で被害
- 最低気圧902hPa
- 最大風速秒速78m
- 死者1,800名
- 行方不明者700名
- 被害金額推定2兆8,000億円
当時のブッシュ大統領はルイジアナ州に非常事態宣言を出すなど、激甚災害になりました。
台風の名前 決め方と一覧
2015年の台風1号は「メーカラー」という名前でした。
2016年の台風1号は「ニパルタック」。
これは東アジア14カ国で構成されている「台風委員会」という機関が決めています。
14カ国がそれぞれ10個の名前を持ち寄って、それを順番に当てはめて繰り返していくんです。
(140個の名前全部を知りたい方は、気象庁のHPからご確認ください)
14カ国で10個ずつなので、合計140個を1番から140番まで使いまわします。
2015年は台風27号(メーロー:140個のうち92番目)で終わったので、2016年の台風1号は93番目の「ニパルタック」から始まりました。
台風委員会のメンバー国
・カンボジア
・中国
・北朝鮮
・香港
・日本
・ラオス
・マカオ
・マレーシア
・ミクロネシア
・フィリピン
・韓国
・タイ
・アメリカ
・ベトナム
各国で10個ずつ台風の名前を決めますが、国によって「植物(ユリ:韓国)」だったり「伝説の戦士・女神(悟空:中国)」や「自然現象(夕焼け:北朝鮮)」など、ある程度統一されているようです。
また、1年間で平均25個程度の台風が発生するので約5~6年で140番まで一周し、140番が終わったらまた1番から始まります。
日本が命名した台風の名前(星座の名前)
5番目 :テンビン(てんびん座)
19番目:ヤギ(山羊座)
33番目:ウサギ(うさぎ座)
47番目:カジキ(かじき座)
61番目:カンムリ(かんむり座)
75番目:クジラ(くじら座)
89番目:コグマ(コグマ座)
103番目:コンパス(コンパス座)
117番目:トカゲ(とかげ座)
131番目:ハト(はと座)
「室戸台風」とか「伊勢湾台風」といった日本独自の名前は、特に被害が大きかった台風に名付けられていましたが、最近はあまり付けられていませんね。
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台風の被害が多い地域の方は普段から対応を心掛けたり、避難の準備をしているかもしれませんが、被害が少ない地域の方ほど油断しているので注意が必要ですね。
- 田んぼが心配で見に行った
- 近くの水路を見に行って流された
- 海岸に行って高波にさらわれた
何度も報道を見て悲しくなりますが、「なんで今、わざわざ見に行くの?」って思いませんか?
気になって仕方がない気持ちは分かりますが、打てる手は少ないのでまずは命を大事にしましょうね!
台風が近づいたら、川や海に近づかないこと!家や避難所でじっとしておくこと!
ダメ!ゼッタイ!
また、地震の震度とマグニチュードの違い 最大規模の地震ランキングでもご紹介の通り、日本は台風だけじゃなく地震の被害も多い国です。
コメント
コップはコグマに名前が変わりましたよ
by aw 2017年7月22日 11:22 PM
awさん
ご指摘ありがとうございました。
コップ(座)からコグマ(座)に変更してたんですね!
修正・訂正させていただきました。
by park-park 2017年7月24日 8:47 PM
伊勢湾台風はランキングには入らないのですか?
by しげ 2017年10月21日 2:46 PM
しげさん
コメントありがとうございます。
伊勢湾台風は上陸時点の気圧が929hPa(当時の単位はmb)だったので、今回の上陸時点でのランキングには入ってませんでした。
伊勢湾台風の被害規模はトップ級でしたから、必ずしも気圧の低さと災害規模は比例する訳ではないんですね。
by park-park 2017年10月21日 3:35 PM
うろ覚えですが、沖縄に対しては「台風通過」としか表現しないと読んだことがあります。それならば、上陸ナシも頷けます。陸地面積などで上陸と通過の基準があるんですかね。
by はいよ 2017年10月25日 6:17 PM