2017/02/17
「ホリエモン」と「ドラえもん」を間違えて投票したら、その票は無効?どうなるの?
国政選挙や地方自治体の選挙を問わず、毎回必ず「判断が難しい票」が発生しますが、これまでに実際に起こった「無効票や疑問票」と、自分の票を無効にしないための注意点をご紹介していきます。
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実際にあった疑問票の事例集
ひっこしのサカイ
選挙の疑問票の話題の中でも特に有名な事例です。
香川県で「堺敏昭(さかいとしあき)」という候補者が1票差で落選した選挙がありましたが、その時の無効票の中に【ひっこしのさかい】という票があり、無効票扱いとされていました。
1票で落選した堺候補は「あの【ひっこしのさかい票】は、俺に入った票だ!」と主張しましたが、選挙管理委員会の判断で、やはり無効扱いとなり、堺候補はそのまま落選してしまいました。
確かに紛らわしいし、たった1票差で落選しているんだったら、僅かな望みも【ひっこしのさかい票】に賭けてみたくなりますよね。
苗字が同じ候補者が立候補
市会議員など、同じ地域に同じ苗字の人が多いエリアってありますよね。
たとえば、候補者の中に「田中一郎」と「田中五郎」という同じ苗字の人が2人いた場合、【田中】【たなか】【タナカ】と書かれた票の扱いはどうなるか知ってますか?
答えは“按分”されます。
仮に選挙結果で「田中一郎」100票、「田中五郎」50票だった場合、得票率は「一郎:五郎=2:1」の割合と考えます。
つまり、【田中】という疑問票が3票入った場合、「一郎に2票」、「五郎に1票」という具合に分けられてしまうんですね。
同姓同名の候補者が立候補
2017年1月に行われた、佐賀県唐津市議選挙では「青木茂」という同姓同名の候補が2人出馬。
- 一人は「現職・56歳」の青木茂氏
- 一人は「新人・43歳」の青木茂氏
唐津市の選挙管理委員会では、投票用紙に「青木茂 現職」や「43歳 青木茂」などと投票用紙に書くようにして対応しました。
ただし、「青木」や「青木茂」とだけしか書かれてない判別不可票は826票にのぼりましたが、先ほどご紹介した「田中」の例と同様に、按分で集計を実施。
結果的には青木茂さんは二人とも当選しましたが、「坊主の青木茂」や「かっこいい青木」と書かれた票があり、こちらは無効票となりました。
そんなことってあるんですね。
微妙な間違いの例
「大槻和弘」という候補者が立候補し、投票の中に【大つきか○ひ】書かれたものがあった。
選挙管理委員会の判断で、この表は大槻候補の有効票になりましたが、落選した候補者から”これは無効票だ!”と訴訟を起こされています。
タイガーマスク?
プロレスラーで初代タイガーマスクの佐山聡さんが立候補し、【タイガーマスク】という投票がありました。
選挙管理委員会はこの【タイガーマスク】票を佐山候補の得票として扱う方針を発表しましたが、佐山候補自体は落選しています。
候補者の祖父の名前を書いた
父親が引退して、息子がその選挙地盤を引き継ぐことはよくありますが、投票で息子ではなく父親や親族の名前が書かれた投票の扱い。
昭和初期に大阪市長だった「関一(せきはじめ)」氏の孫で、後に大阪市長に当選した「関淳一」氏が立候補した際、【関一】という投票がありましたが、「淳一」候補の票として扱われました。
一方で、【関はじめ】と書かれた票は、無効扱いとなっています。
- 【関一】は、“淳”を書き忘れたという解釈。
- 【関はじめ】は、候補者の祖父であり、別人への投票とみなされる、という解釈。
この差はよく分からんな。。。
【ホリエモン】と【ドラえもん】の間違い?
元ライブドア社長の堀江貴文さんが選挙に出馬した際、報道では「堀江候補」よりも「ホリエモン」というニックネームが多く使われていました。
では、投票に【ドラえもん】と書かれた場合はどうなるのでしょうか?
実際にはこの【ドラえもん票】はありませんでしたが、有識者の見解では「恐らく無効」とのこと。
「間違えるワケないだろ」ということでしょうか。
タマちゃん?
一昔前に話題になった、アザラシのタマちゃんブーム。
このブームの中で行われた選挙で【タマちゃん】と書かれた票が、「玉生芳明」という候補者の得票に数えられた例もあります。
しかし一方では、【タマちゃん】の横にアザラシのような絵が書かれた票も発生。
この絵が書かれた票は無効票として扱われました。
候補者の名前以外に余計なことを書くと、“他事記載”として一発で無効になるので注意しましょう。
○○さん、と書いてしまった場合
投票用紙には本来、候補者の名前以外は書いてはいけませんが、“○○さん”や“○○様”といった敬称を書いてしまう人も多くいます。
この“敬称”は有効票として扱われます。
有効な敬称の一例としては次のようなものがあります。
- ○○さん
- ○○様
- ○○先生
- ○○氏
- ○○閣下
- Mr.○○
一応有効ですが、氏名以外の余計なことは書かないようにしましょう。
ただし、次の敬称は「無効扱い」となります。
- ○○さんへ
- ○○様へ
- 必勝○○さん
「さん」はOKで、「さんへ」がNG。
なんだかなぁ。。
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余計なことを書いた場合
誰が見てもソックリな似顔絵・・・無効
頑張れ○○候補!・・・無効
自分の票を無効にしないための注意点
注意点と言っても、たった一つだけです。
「候補者の氏名以外は何も書かない」
これだけ。
余分な「゛」や、「。」が原因で無効扱いにされてしまった票も、実際にたくさんあります。
何も難しいことはありません。
誤字・脱字に気をつけて、記載台の前に貼ってある候補者名をそのまま書きましょう。
選挙の投票時間
公職選挙法で、「朝7時から夜8時まで」と決められていますが、投票所によっては終了時刻が繰り上げられることも珍しくありません。
たとえば、本来は夜8時まで投票できるはずなのに、夜7時で終わっていた、など。
これも実は公職選挙法で認められていて、各市町村の選挙管理委員会の判断で最大4時間まで、終了時刻を切り上げできることになっています。
つまり、一番早い場合は夕方の4時で締め切られてしまうことも。
これは、山間部や離島など、開票所に投票箱を持っていく時間を考慮してのことですが、せっかく投票に行ったら終わっていた、ということが無いように早めに済ませてしまいましょう。
選挙権が18歳の人にも与えられ、無効票の混乱が予期されていますが、自分の生活に大きくかかわる選挙です。
無駄なことは書かない、誤字脱字は十分に注意しましょう。
また、選挙にはかなりの金額の税金が使われています。身近な税金の使いみちを知ろうにも書いていますが、私達の大事な税金を使って政治家を選んでいるんですね。
今回ご紹介した「無効例」「疑問例」を参考にして、選挙に行きましょう!
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