2018/01/27
アメリカの大統領選挙は4年に1度行われる、ビッグイベントです。
4年に1度、4で割り切れる年に行われるので、夏のオリンピックやうるう年も同じ年ということになります。
日本の首相が頻繁に交代するのと違って、4年に1度、1年かけてのイベントなのでニュースでも大きく盛り上がっている様子が伝わってきますが、日本の総理大臣選出と仕組みが違ってとても分かりにくいですよね。
そこで、誰でも簡単に分かるように解説していきたいと思います。
また、アメリカ歴代大統領の一覧 最年少就任や最長在任期間は誰?のページもぜぎご覧ください。
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目次
立候補資格とスケジュール
誰が立候補できるのか?
大統領選には誰でも立候補できるわけではありません。
- アメリカ生まれであること
- 14年以上アメリカに住んでいること
- 35歳以上であること
また、アメリカには”民主党”と”共和党”という2大政党があり、事実上はこのどちらかに所属していないと当選できません。
1年かけて大統領を選ぶ
日本との違い
日本の首相(総理大臣)は、建前的には”国民の代表”ということになっていますが、実際は(細かいルールは省略しますが)国会議員が決めています。
しかしアメリカ大統領は国民が投票で決めている、という点で日本と大きく違っているのです。
2月~7月(予選) ”予備選挙・党員集会”で”代議員”を選ぶ
まず、全米50州の各州で、有権者が応援したい候補者を支持表明している”代議員(国会議員)”を選びます。
たとえば、トランプ候補を応援したい有権者は、トランプ候補を支持表明している”代議員(国会議員)”に投票します。
代議員の人数は各州によって違い、人口の多い少ないによって決まっています。この点は、日本の衆議院小選挙区で東京都議員定数25人に対して、最少の鳥取県は2名と差があるところと同じです。
『一票の格差』といった問題もありますが、ややこしくなるのでここでは省略します。
この”予備選挙”が一番多く開催されるのが3月1週目の『スーパーチューズデー』です。テキサス州など10州以上で予備選挙・党員集会が開催されて”代議員(国会議員)”が選ばれます。
こんな感じで7月まで、全米各州で代議員選びが開催されます。
8月 全国党大会(二次予選)が開催
全米各州で決定した代議員ですが、ここからは『党の代表候補』を1人に絞ります。予備選挙で人気のあった民主党・共和党の候補者各1名が統一指名候補者として、正式に本選挙に進めます。
8月~12月 本選挙(本選)の開催
8月に決定した民主党1名、共和党1名の候補者に投票するわけですが、国民が『共和党のA候補に1票』と直接投票するわけではありません。
予備選挙(予選)の時のように、候補者を支持している”選挙人(国会議員)”に投票します。
この選挙人も各州の人口に比例配分されており、全国で538人います。
この538人の”選挙人(国会議員)”が立候補者に投票して、最終的に538人の過半数(270人)を獲得した候補者が、晴れて大統領に選出される訳です。
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独特のややこしいルール
多くの人が混乱する大統領選挙の独自ルールに『勝利者独占方式』と呼ばれるルールがあります。
カリフォルニア州は選挙人の人数が全米最多の54人います。
例えば、民主党のA候補は選挙人30人獲得、共和党のB候補は選挙人24人獲得、という結果が出ました。
しかし、選挙結果としては『カリフォルニア州はA候補54人、B候補0人で、A候補の勝ち』となります。
これが勝利者独占(総取り)方式です。
得票数は少ないけど、大統領になれちゃうケース?
こういったルールのため、ごくたまに『一般有権者の得票数』と『選挙人の獲得数』が逆転してしまうことがあります。
カリフォルニア州のような選挙人が数の多い州で僅差でも勝てば、選挙人の数が少ない州で連敗しても、最終的に選挙人の獲得数で上回ることが出来てしまいます。
実際に、2000年の大統領選挙では、共和党のブッシュ候補は民主党のゴア候補よりも50万票以上も得票数少なかったけど、カリフォルニア州のような大票田で連勝したので、最終的に大統領になれたケースもあります。
2016年の大統領選、このようなルールを知ったうえで報道を見るとより分かりやすいのではないでしょうか。
皆さんの周りにもこのルールが分からない!という人が多いと思いますので【ざっくり】教えてあげてくださいね。
ちなみに、2016年大統領選挙で争うクリントン候補やトランプ候補は、アメリカ歴代大統領の就任時最年長ランキングのとおり、どちらが当選しても歴代ベスト3に入る年長者です。
激務だし、健康に2期8年務められるかな?
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